アウフヘーベンという言葉の意味がわからなかったので、
調べてみました。
アウフヘーベンとは、
ヘーゲルが提唱した哲学の概念(用語)で、
日本語では「止揚(しよう)」と訳されます。
ある物事において問題が見つかった時に、
その問題を積極的に受け入れて克服し、
よりよい状態へ導いて解決することを
「アウフヘーベンする」というようです。
もう少し、詳しくみていきましょう。
アウフヘーベンは、弁証法に出てくる
アウフヘーベンは、もともと、
哲学者ヘーゲルの弁証法(べんしょうほう)という
問題解決などの方法論の中で出てくる言葉でした。
ヘーゲルの弁証法とは、
ある案件・主張<テーゼ>に対して、
問題点・矛盾する点を指摘した主張<アンチテーゼ>が明確になった時、
その問題をも解決し<アウフヘーベンする>
より本質的で、発展した第3の答え<ジンテーゼ>へ導くというものです。
つまり、
アウフヘーベンとは、
よりよい状態へと問題を解決する行為ということになります。
「アウフヘーベン」という行為・状態よりは
「アウフヘーベンする」という動詞としての方が、
使う機会は多いかもしれません。
アウフヘーベンの例文
有名な例があります。
ある主張では、「この図形は、三角形である。」(テーゼ)
と言っているのに対し、
矛盾する問題点として「この図形は、まるにも見える。」(アンチテーゼ)
という意見が出てきました。
おかしいですね、
同じ図形をみているはずなのに、
この図形は、
円形にも見えるというので、
何か根本的な秘密があるようです。
この問題をよく考えて
アウフヘーベンしてみましょう。
すると、この図形は、
「円錐」(ジンテーゼ)であるという考えに辿り着くことができました。
円錐は横からみると三角形ですが、
下からみると、円形です。
矛盾していたふたつの主張が
どちらも否定することのない、
より本質的な主張へ発展した結果です。
・「カレーがたべたい」「パンが食べたい」
「ならアウフヘーベンしてカレーパンを食べよう」
(↑これだとただの折衷案になるとのことで削除)
・“世の中に存在する技術の多くは、アウフヘーベンの結果として見ることができます。
たとえば、エコカーは
自動車と環境問題という矛盾を解決した結果生まれたものだといえます。”
↑2011年 PHP文庫 小川 仁志 著『超訳「哲学用語」事典』より引用
・対立した問題があるときは、
アウフヘーベンして、第三の道を探るとよい
日常生活では、あまり出てこない言葉かもしれませんが、
妥協でも、どちらかを屈服させるというわけでもない
アウフヘーベンという概念は、
問題を解決するときの道のひとつとして
知っておきたいなと思います。
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コメント
カレーパンの例は、アウフヘーベンではありませんよ。
それは折衷案です。アウフヘーベンの間違いとして、よく例に出されるものですね。
アウフヘーベンとは、単純に足すのではなく、上の次元に上げることです。
>yomasuさんへ
管理人の、こつやりです。
このたびは、カレーパンの例についてご指摘頂いてありがとうございました。
確かにカレーパンの例については、よく考えてみると
単にカレーとパンを組み合わせただけの結果ですよね…。
勉強になりました。
他の方のサイトや意見も探してみたところ、
カレーパンの例は違うという意見が見受けられました。申し訳ないです。
もう一度、アウフヘーベンについて調べ、
エコカーの例を『超訳「哲学用語」事典』(小川 仁志著、PHP文庫)より引用して
取り急ぎ、本文に追加させて頂きました。
管理人 こつやり