ポストモダンの哲学での意味とは

ポストモダンという言葉の意味がわからなかったので
調べたところ、
哲学でも使われる言葉のひとつでした。
  
この言葉は、建築や文学の分野などでも使われますが、
今回は、主に哲学の分野で使われる意味で紹介いたします。
  
ポストモダンの

ポストとは、英語の接頭語(他の語句の前につけるもの)post-で、
~後の」という意味で、

モダンは、英語のmodernで、「近代の」を意味します。

合わせると、「近代の後」という意味になり、
ポストモダンとは、いくつかある
「近代の思想(現代の思想)」を総称したものをさします。
  

知恵蔵2015の解説では、

現代という時代を、近代が終わった「後」の時代として
 特徴づけようとする言葉

とありました。
  
特に哲学の上では、
近代をやや批判的にとらえた思想となるようです。
  
では、

近代の思想とはどのようなもので、
ポストモダン(近代後の思想)とは
例えばどのようなものだったのでしょうか。

121524

近代の思想


近代は、一般に
15~16世紀以降から、現代の手前までをさし、

大辞林 では、

西洋史では,ルネサンス,大航海,宗教改革以降の時代,
 特に市民社会と資本主義を特徴とする時代をいう。

 日本史では一般に,明治維新から太平洋戦争終了までの時期をいう。

とあります。2回の世界大戦を含みます。
  

この時代といえば、
啓蒙主義がヨーロッパ全域に広がった時代でもありました。
  
啓蒙(けいもう)主義の「啓蒙」とは
蒙昧(もうまい・無知)を
理性で啓(ひら)くという意味です。
  
キリスト教や絶対王政などの伝統的権威による統治ではなく、

民衆ひとりひとりが理性をはたらかせて、
自立的な市民社会の形成を理想とします。
  
代表的な啓蒙思想に、社会契約説があります。
民衆の契約によって国を成立させるという考え方です。
  
ロック(イギリス)やルソー(フランス)などの社会契約説は、
フランス革命(1789年、絶対王政を廃止にした市民革命)
などに強い影響を与えています。

ポストモダンの思想


ポストモダンという言葉を使った哲学者で代表的なのは、
フランスのジャン=フランソワ・リオタールです。
  
リオタールは、
主著『ポスト・モダンの条件』(1979年)で、
大きな物語の終焉」という言葉でポストモダンをあらわしています。

大きな物語とは

リオタールの言う「大きな物語」とは、

モダン、つまり近代あたりの思想に特徴される

人間の理性により、よりよい社会になるであろうと
力を尽くす物語です。
  
先ほどの啓蒙主義もそのひとつで、
他には、

・資本家による労働者の搾取がなくなる社会主義社会を必然とする
 マルクス主義的なもの
・技術の発展により生活が豊かになることを目指す資本主義的なもの

も、リオタールによれば、大きな物語に入ります。
  
これらの主義(考え・目標)には共通して、

民衆の救いを目指し、生まれによる縛りなどなく
誰でも参加できる普遍的なものと特徴づけされていて、

それがそのとおり信じられていた時代でした。

リオタールのポストモダン

リオタールは、ポストモダンを
それら「大きな物語の終焉」としています。
  
終焉(しゅうえん)というのは、

それらの大きな物語のそれぞれの主義・考えにも
ひづみや矛盾があり、信じられなくなったこと、

行き詰まりが起こってしまっていることをあらわします。
  
普遍的であろう画一化された社会を目指しても、

文化や地域の違いなどによる多様性の存在を無視できないと考えるのも
そのひづみのひとつだったでしょう。
  
複雑化し、これからどうなっていくかまだわからない状態が
ポストモダンですが、

「モダン」の状態とは明らかに違っていることが
このポストモダンという言葉にあらわれています。

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