アニメのタイトル「ちはやふる」は、
百人一首のかるたの札の歌のひとつである、
「ちはやふる かみよもきかす たつたかは からくれなゐに みつくくるとは」
(ちはやぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは)
から来ています。
「ちはやふる」から始まるこの歌は、
在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)がよんだもので、
意味としては、色々解釈はあると思いますが、
「神々の時代(大昔)でも、
こんなふうに紅葉で赤くなった美しい龍田川なんて、聞いた事もない」
と情景をうたっている意味がある他、
恋に身を焦がす歌として解釈されることもあります。
“ちはやふる”は、“神”の枕詞(まくらことば=和歌などで語調を整えたりする言葉)。
「神通力のような」「勢いの強いさま」というような意味で、
「ちはやふる」のストーリーの中で
主人公の千早は、
“自分の名前がある「ちはやふる」の札が好き”と語る場面もあります。
まるで「神」のようにぐんぐん伸ばしていく千早のかるたの才能や、
かるたをどんどん好きになって、「勢いよく」ぶつかっていく千早の様をみていると、
この「ちはやふる」のタイトルがぴったりのような気もします。
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ただ、
原作の漫画では、
「ちはやふる」というタイトルの本当の意味が示されるのが
コミックス第11巻でした。
かるた部の大江 奏(おおえ かなで)が
「荒ぶる」ような勢いとは違う
「ちはやふる(千早振る)」の勢いの意味を、
独楽(こま)に例えられて語っています。
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アニメでその「ちはやふる」の説明があったのが第2シーズンの第7回目。
大江 奏(かなちゃん)の台詞を耳コピで紹介しておきます。
「いいですか、
ちはやぶるという言葉には、色んな訓読み表記があって、
諸説ありますが、
私がイメージしやすいと思ったのは、“千早振る”と“荒ぶる”を
対(つい)で考える説です。」
「両方とも神の力をあらわしているんですが、
“荒ぶる”が悪い神の力なら“千早振る”は正しい神の力です。
どちらも勢いの強さをあらわすものの、その性質は全く違います。
“荒ぶる”はバランスの悪いぐらぐらな回転だとするなら
“千早振る”は高速回転するまっすぐな軸のコマ。
なにが触れてもはじきかえされる安定した世界で、
まるで止まっているかのように見えながら
前後左右上下、どこにも偏りなく力が集中している状態-‥。」
これから、千早は、本当の意味の“ちはやふる”にも近づいていくんでしょうね。
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