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コペルニクス的転回の意味とは?例文も

 

コペルニクス的転回(こぺるにくすてき てんかい)の
意味がわからなかったので調べたところ、
現在は
 
「発想や考えを逆転して根本から変えること、
 また、変えたことによって新たな道が見出されること」
 
という意味でした。
  

ただ、
もともとこの言葉は
18~19世紀のプロイセン王国の哲学者、
イマヌエル・カント
自らの『認識論』を「コペルニクス的転回」と表現したのが一番初めです。
  
現在の意味は、
カントの「コペルニクス的転回」というその言い回しが
派生して使われるようになったものです。

121524
  

コペルニクスとは、転回とは

 
そもそも
『コペルニクス』とは、15~16世紀の
ポーランド出身の天文学者のことで、
『転回』の意味とはくるりと方向が変わることです。
  
コペルニクスといえば、
現在の常識である
地動説
(地球は宇宙の中心ではなく、
 自転しながら太陽の周りを他の惑星と共に回っている)を
唱えたことで有名ですが、
15~16世紀の当時は、まだ
天動説
(地球は宇宙の中心で静止していて、
太陽を含むほかの天体が地球のまわりを回っている)が
最も信じられていました。
  
だから、コペルニクスが唱えた地動説の方が
正しいと証明されたときは、きっと、
それまでの定説を180度覆すこととなり、
まさに、天地がひっくりかえるような衝撃的な出来事だったでしょう。
 
地動説によって、合点がいくことで
新たな道が開拓されることもたくさんあったと思います。
  

『コペルニクス的転回』は、
そのことを表現した言葉になっています。
 
コペルニクスが地動説を唱えたときのような常識の転回、
といった感じでしょうか。
 

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例文

 
コペルニクス的転回という言葉で
例文をつくってみました。
  
・プリンに醤油をかけるという食べ方は
 私の味覚にコペルニクス的転回をもたらした。
 

・この問題を解決するには、コペルニクス的転回が必要とされる。
 

・犬が自分が手に持っているおもちゃをくわえてしまって
 なかなか離そうとしないときに
 そのおもちゃを「あげちゃってもいいさ」と考えるのは
 その影響も含めて、まさにコペルニクス的転回だと思う。
  

初めてこの言葉を使ったカント

 
冒頭に述べたように、
「コペルニクス的転回」という言葉を
初めて使ったのは、哲学者のカントでした。
  
主著「純粋理性批判」で使っています。
  
カントが自ら「コペルニクス的転回」と呼んだ
カントの認識論とは、
どういったものだったのでしょうか。
  
それは、
それまでの認識論は、認識が対象に従っていると考えられていたのに対し、
カントは、対象が認識に従っていたと主張したというものです。
  
どういうことかを簡単にいうと、
例えば、
りんごがあったとします。
  
それまでの哲学では、
“りんごがそこにある。だから私たちは目で見てりんごがあると思う。”
と、考えられていたのに対し、
  
カントは
“私たちが目で見て、りんごがあると思う。だからそこに りんごがある”
と考えたのです。
  
それまでとは
まったく逆の発想をしてみたことで、新たな考えもひらけていくのですが
コペルニクスが主張した地動説のモノの見方になぞらえて
“コペルニクス的転回”(原語:kopernikanische Wendung)
とカントは自らの認識論を表現したのです。
 

おわりに

その後カントは「実践理性批判」「判断力批判」などの著書を発表し、
以後の西洋哲学界に多大な影響を与えています。

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